music/20130525
created 2013-05-25 modified 2013-05-26
メモページを追加しました。
【@ダイアトニックコード プラスα】
「とりあえずコードを並べてみて」「その上でアドリブソロを組み立てて」作曲する方法がある。そのためには、ある調性の中で、逸脱しすぎない範囲で「使える」コードをたくさん知っておくと便利。
そこで、キーCで使えるコードを列挙してみる。
表の配置は、コードのルート音が、「レギュラーチューニングのギターの3弦から6弦で、指盤上のどこにあるか」をイメージした配置。
「ピアノの白鍵を1本飛ばしで抑えてできるコード」です。
ピアノの白鍵=CメジャーキーのIonianスケール なので、つまり、C Ionianスケール上にできるコード群、と。
C Aeorianスケール上にできるコード群。Aeorianは、ピアノの白鍵でラから始まってラで終わるスケール。だけどそれだと、A Aeorian。C Aeorian は、ピアノの白鍵に対し、ミ、ラ、シ (3番目、6番目、7番目) がフラットする。
メジャーキーの曲にマイナーのコードを借用してくると、面白い響きになる。Fm7やAbM7などはサブドミナントマイナーとして、メジャーキーの曲でごく普通に使われる。Gm7はドミナントマイナーと呼ばれるらしい。基本は「ドミナント音上のマイナーコード」詳細には「1度か3度にbVIIの音が入っていて、ほかの役割に分類されてないコード」程度でよさげ。
増5(+5)のトライアドコードは、構成音のどこをルートにしても同じ(dim7のコードと対比すると面白い)。響きとしては、G7(#5)がG7(b13)でもあるように、オルタードテンションを含むセブンスコードっぽい響きになり、使いどころも似てる。例:パートの区切りの最後がG7で、次のパートでCに戻るようなとき、G7(#5)にするといい感じになる。Eb(#5)はG(#5)と構成音が同じ。
メロディックマイナーは、ソロをとる上では重要だけど、この「コードを並べる」作曲方法論ではあんまり重要じゃないみたい。
2013-12-17 追記
キーCで、スパイス的にちょっとF7(9)を使うと面白い。これ、最初は単に「ブルースは何でもセブンスコードにするよね」と思うのだけど、それ以上に意外と深い。ジャズっぽい解釈で、やはりメロディックマイナーからの借用コードと考えると広がる。IV音上のLydian b7。
セカンダリドミナント: 完全5を持つダイアトニックコードから見た属7 (ハーモニック短調)
ある曲で、Cメジャーキーに対してEm7-5というのが出てきて何じゃこりゃ、と思っていたが、
C7(9)のルート抜き、3度ベース(=第一転回形)がEm7-5になる。
つまり、CメジャーキーでEm7-5はセカンダリドミナントとして使える。
M7コードのルートを半音上げるとm7-5コードになる。上物が単純なコードと同じボイシングだと、基本的に上物のコードと似た響き。ただ、トライトーンができるため、少し緊張感が増える。
使い方のひとつの方法として、マイナーII-Vにして、さらにVをセカンダリドミナントとして扱い、元の調性に戻ると自然な流れになる。Am7 -> Am7-5 -> D7 -> Dm7 -> G7 -> C など。
上記表にないが、Em7 -> FM7 の間に Fm7-5 をかますと面白い響きになる。これ、謎。パッシングdimに近いけど、パッシングdimともちょっと違う。だけどとにかく使える。
Em7-5は、下属調(Cキーに対するFキー)からの借用とも解釈可能。
F#m7-5は、属調(Cキーに対するGキー)からの借用とも解釈可能。
下属調(Cキーに対しFキー)は、第7音、シの音がフラットする。下属調から借用すると、ブルースロック的な、泥臭い雰囲気になる。
属調(Cキーに対しGキー)は、第4音、ファの音がシャープする。属調から借用すると、クラシック的な、きらびやかな雰囲気になる。
コード進行で作曲するひとは、「おかしなコードを入れる」ことに、凝る時期がある(=自分もそう)。でも、
おかしなコードを自己満足で入れて、歌いにくい、聴きにくい曲を作っていないか注意する必要がある。
「そのコードの上で、自分は音を外さずに鼻歌が歌えるか」「それを録音して聴けるか」チェックする。
演奏技術がしっかりしている人は、「おかしなコード」を入れなくても十分に音楽的に演奏できる。逆に、おかしなコードを入れたくて仕方がないのは、演奏技術がないことを、稚拙な考えでごまかそうとしているだけではないのか。
(誰もがビートルズ的なコード作曲を一度はやる。でも、もはや、アニソンでもポップスでもロックバンドでも、ビートルズ的なコード作曲は通用しない。それくらい、どのカテゴリでも「高度に設計されてる曲」がたくさん世に出ている。また、高度な作曲理論を知っているひとがすでにアマチュアにもプロにもたくさんいるので、薄い自分勝手流儀ではその人達に追いつけない。)
「できないくせに難しいことをやろうとしすぎて、逆に稚拙になる」のを防ぐひとつの方法。「ごくごく当たり前のコードを使ってメロディーまで完成させてから、鼻歌を歌いつつ理論を使ってバッキングをアレンジしていく」。自分が歌いにくいなら、聴く人も聴きにくい。
あとは…フレーズの中での導音的な音が短7になっているとき、それを半音上げて長7にするのは、器楽ではうまくいきやすいみたい。でも、導音は本当は歌うのが難しい。声楽屋さんは、導音については特に、純正律と平均律を使い分けるらしい。やっぱりやりすぎ厳禁。
【@music】
そこで、キーCで使えるコードを列挙してみる。
表の配置は、コードのルート音が、「レギュラーチューニングのギターの3弦から6弦で、指盤上のどこにあるか」をイメージした配置。
Cメジャー ダイアトニックコード
-------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
G7 | Am7 | Bm7-5 | CM7 | Dm7 | ||||
Dm7 | Em7 | FM7 | G7 | Am7 | ||||
Am7 | Bm7-5 | CM7 | Dm7 | Em7 | ||||
Em7 | FM7 | G7 | Am7 | Bm7-5 |
ピアノの白鍵=CメジャーキーのIonianスケール なので、つまり、C Ionianスケール上にできるコード群、と。
C(ナチュラル)マイナー: 3,6,7がフラット
-------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Gm7 | AbM7 | Bb7 | Cm7 | Dm7-5 | ||||
Dm7-5 | EbM7 | Fm7 | Gm7 | AbM7 | ||||
AbM7 | Bb7 | Cm7 | Dm7-5 | EbM7 | ||||
EbM7 | Fm7 | Gm7 | AbM7 | Bb7 |
メジャーキーの曲にマイナーのコードを借用してくると、面白い響きになる。Fm7やAbM7などはサブドミナントマイナーとして、メジャーキーの曲でごく普通に使われる。Gm7はドミナントマイナーと呼ばれるらしい。基本は「ドミナント音上のマイナーコード」詳細には「1度か3度にbVIIの音が入っていて、ほかの役割に分類されてないコード」程度でよさげ。
C(ハーモニック)マイナー: 7をナチュラルに戻す
-------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
G7 | AbM7 | Bdim | CmM7 | Dm7-5 | ||||
Dm7-5 | EbM7+5 | Fm7 | G7 | AbM7 | ||||
AbM7 | Bdim | CmM7 | Dm7-5 | EbM7+5 | ||||
EbM7+5 | Fm7 | G7 | AbM7 | Bdim |
C(メロディック)マイナー: 7,6をナチュラルに戻す
-------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
G7 | Am7-5 | Bm7-5 | CmM7 | Dm7 | ||||
Dm7 | EbM7+5 | F7 | G7 | Am7-5 | ||||
Am7-5 | Bm7-5 | CmM7 | Dm7 | EbM7+5 | ||||
EbM7+5 | F7 | G7 | Am7-5 | Bm7-5 |
2013-12-17 追記
キーCで、スパイス的にちょっとF7(9)を使うと面白い。これ、最初は単に「ブルースは何でもセブンスコードにするよね」と思うのだけど、それ以上に意外と深い。ジャズっぽい解釈で、やはりメロディックマイナーからの借用コードと考えると広がる。IV音上のLydian b7。
Cメジャー+(SDm,SecD,SecD裏b5)
-------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
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G7 | AbM7 Ab7(b5) | Am7 A7 | BbM7 Bb7 Bb7(b5) | Bm7-5 B7 | CM7 C7 | Db7(b5) | Dm7 Dm7-5 D7 | |
Dm7 | Eb7(b5) | Em7 E7 | FM7 Fm7 F7(b5) | F#m7-5 F♯7(b5) | G7 G7(b5) | AbM7 Ab7(b5) | Am7 A7 | |
AbM7 Ab7(b5) | Am7 A7 | BbM7 Bb7 Bb7(b5) | Bm7-5 B7 | CM7 C7 | Db7(b5) | Dm7 Dm7-5 D7 | Eb7(b5) | Em7 E7 |
Eb7(b5) | Em7 E7 | FM7 Fm7 | F#m7-5 F♯7(b5) | G7 G7(b5) | AbM7 | Am7 A7 | BbM7 Bb7 Bb7(b5) | Bm7-5 B7 |
ドミナントモーション
-------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
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Fdim | |||||
Bb7 | Bdim Bm7-5 | C Cm | Db7 Db7(b5) | Ddim Dm6 | |
G7 Gm7 G7(#9) G7(b5) G7(b13) | G#dim(=G7(b9)) |
セカンダリドミナント
セカンダリドミナント: 完全5を持つダイアトニックコードから見た属7 (長調)-------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
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A7(->Dm) | B7(->Em) | ||||
E7(->Am) | |||||
C7(->F) | D7(->G) | ||||
- |
セカンダリドミナント: 完全5を持つダイアトニックコードから見た属7 (ハーモニック短調)
-------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
---|---|---|---|---|---|
- | |||||
Eb7(->Ab) | |||||
C7(->Fm) | D7(->G7) | ||||
- |
ある曲で、Cメジャーキーに対してEm7-5というのが出てきて何じゃこりゃ、と思っていたが、
C7(9)のルート抜き、3度ベース(=第一転回形)がEm7-5になる。
つまり、CメジャーキーでEm7-5はセカンダリドミナントとして使える。
M7コードとm7-5コード
-------- | -------- | -------- | -------- | -------- | -------- |
---|---|---|---|---|---|
AbM7 | Am7-5 | BbM7 | Bm7-5 | ||
EbM7 | Em7-5 | FM7 | F#m7-5 | ||
CM7 | DbM7 Dbm7-5 | Dm7-5 |
使い方のひとつの方法として、マイナーII-Vにして、さらにVをセカンダリドミナントとして扱い、元の調性に戻ると自然な流れになる。Am7 -> Am7-5 -> D7 -> Dm7 -> G7 -> C など。
上記表にないが、Em7 -> FM7 の間に Fm7-5 をかますと面白い響きになる。これ、謎。パッシングdimに近いけど、パッシングdimともちょっと違う。だけどとにかく使える。
Em7-5は、下属調(Cキーに対するFキー)からの借用とも解釈可能。
F#m7-5は、属調(Cキーに対するGキー)からの借用とも解釈可能。
下属調、属調からの借用
Cキーに対し、FキーとGキーは、シャープやフラットが1個増えるだけなので、「メロディーがそこを避ける」などすると、「いつの間にか変なコードが入って、いつの間にか戻る」ができる。下属調(Cキーに対しFキー)は、第7音、シの音がフラットする。下属調から借用すると、ブルースロック的な、泥臭い雰囲気になる。
属調(Cキーに対しGキー)は、第4音、ファの音がシャープする。属調から借用すると、クラシック的な、きらびやかな雰囲気になる。
自戒を込めて
コード進行で作曲するひとは、「おかしなコードを入れる」ことに、凝る時期がある(=自分もそう)。でも、
おかしなコードを自己満足で入れて、歌いにくい、聴きにくい曲を作っていないか注意する必要がある。
「そのコードの上で、自分は音を外さずに鼻歌が歌えるか」「それを録音して聴けるか」チェックする。
演奏技術がしっかりしている人は、「おかしなコード」を入れなくても十分に音楽的に演奏できる。逆に、おかしなコードを入れたくて仕方がないのは、演奏技術がないことを、稚拙な考えでごまかそうとしているだけではないのか。
(誰もがビートルズ的なコード作曲を一度はやる。でも、もはや、アニソンでもポップスでもロックバンドでも、ビートルズ的なコード作曲は通用しない。それくらい、どのカテゴリでも「高度に設計されてる曲」がたくさん世に出ている。また、高度な作曲理論を知っているひとがすでにアマチュアにもプロにもたくさんいるので、薄い自分勝手流儀ではその人達に追いつけない。)
「できないくせに難しいことをやろうとしすぎて、逆に稚拙になる」のを防ぐひとつの方法。「ごくごく当たり前のコードを使ってメロディーまで完成させてから、鼻歌を歌いつつ理論を使ってバッキングをアレンジしていく」。自分が歌いにくいなら、聴く人も聴きにくい。
あとは…フレーズの中での導音的な音が短7になっているとき、それを半音上げて長7にするのは、器楽ではうまくいきやすいみたい。でも、導音は本当は歌うのが難しい。声楽屋さんは、導音については特に、純正律と平均律を使い分けるらしい。やっぱりやりすぎ厳禁。
【@music】
【@分数コード】
(コードは全部キーCです)
大工さんズは分数コードが大好き。
下記は、"I Need To Be In Love" から拾ったコード進行です。
ある意味で、ルートとウワモノの進行タイミングをずらす発想、なのかもしれません。
ポップな分数コード
XonYの意味の分数コードはほぼ全て、テンションで解釈することが可能。たとえばC/F は FM9。
ただしアッパーストラクチャートライアドの(本当の)分数コードは、また別。
ちょっと話題それるが、Dm7/G から思い出す話題で、アドリブでフレーズを弾く場合の話。
Dm7 -> G7 の進行はよくある。C に解決するような場合はドミナントモーションのフレーズがはまってヨシヨシなのだが、ドミナントモーションしないような、機能が微妙なセブンスコードがたまにある。そのような場合に有効な手法で、G7 のところで Dm7 のフレーズを弾くことを、マイナーコンバージョンと言うらしい。
【@music】
大工さんズは分数コードが大好き。
下記は、"I Need To Be In Love" から拾ったコード進行です。
- アッパーがそのままでルートが4度上行
- Dm7 -> Dm7/G -> G7 -> C
- ルートがそのままでアッパーが2度上行
- Am/C -> Bb/C -> C -> C7
- C -> Bb/C -> C -> C7
- C/D -> D7 -> Dm7 -> Dm7/G -> C
- F -> F/G -> G
- G/A -> Am -> Dm7
ある意味で、ルートとウワモノの進行タイミングをずらす発想、なのかもしれません。
ポップな分数コード
- ベースが7
- G7/F
- ベースが9
- F/G
- ベースが11
- Dm7/G
- C/F
XonYの意味の分数コードはほぼ全て、テンションで解釈することが可能。たとえばC/F は FM9。
ただしアッパーストラクチャートライアドの(本当の)分数コードは、また別。
ちょっと話題それるが、Dm7/G から思い出す話題で、アドリブでフレーズを弾く場合の話。
Dm7 -> G7 の進行はよくある。C に解決するような場合はドミナントモーションのフレーズがはまってヨシヨシなのだが、ドミナントモーションしないような、機能が微妙なセブンスコードがたまにある。そのような場合に有効な手法で、G7 のところで Dm7 のフレーズを弾くことを、マイナーコンバージョンと言うらしい。
【@music】
【@music】